【教育コラム】元塾講師が教える|子どものやる気を引き出す上手な褒め方

「褒めて伸ばす」とよく言いますが、褒めるって意外と難しいんですよね。なかなか技術が必要な行為です。ともすれば人はつい悪いところばかり指摘しがちです。

でも、誰だって褒められると嬉しいし、モチベーションになります。子どもたちの学習面においてもそれは同じです。

塾講師時代、とある研修で褒め方には4つの段階があるというお話をお聞きしました。非常に勉強になる内容でしたので、今回は「子どものやる気を引き出す上手な褒め方」について、まとめておこうと思います。

この記事を書いた人
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くろネコ(kuroNoir)

関西の大手学習塾で10年ほど勤務。小中学生の理系科目をメインに授業を担当し、教室の責任者として運営や進路相談にも携わった。

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子どものやる気を引き出す上手な褒め方

一口に「褒める」といっても、様々な段階があります。その研修では、言葉選びやその内容に応じて、4つの段階を提示されました。

  1. 事実を褒める
  2. 自分の感情を伝える
  3. 努力過程を褒める
  4. 未来の展望を話す

一つずつ具体例と共に深堀していきます。

1.事実を褒める

例えば、子どもがテストで良い点数をとったとします。

「高得点だ!すごいね!」
「よく頑張ったね!」

これが一番シンプルな褒め方ですね。まずは目の前にある事実をしっかり褒めてあげましょう

別に高得点のときだけじゃなく、自己ベストだったり、前回より点数が上がったりしていても、褒めるポイントはたくさんあります。

ちゃんと見ていてくれているという行為を向けることがとても大切で、子どもたちもモチベーションにつながるでしょう。

ただ、この段階でほとんどの方は褒めたと思い、以降の段階へ進めてないことがままあります。これは非常に残念なことです。

何が問題かというと、一度その課題をクリアすれば、次に褒めるポイントを探す際、今まで以上の成果を求めてしいます。結果、褒めのハードルがどんどん高くなって、褒める機会が少なくなってしまうのです。

皆さんも思い返してみていかがですか?

2.自分の感情を伝える

そこで、次に大切になるのが、受け手の感情の変化を伝えることです。

「○○ができるようになって嬉しい」

自分のした行いで周りに良い影響が出るということを子どもたちが認識できることが大切です。

それをしたら喜んでもらえるんだと実感できることで、結果への満足感も高まり、次の原動力へとなります。

「宿題の直しまでちゃんとやってる」とか「解説まで読んで理解に努めている」など、子どもが自らの判断で工夫したことに対して喜びの感情を表現すると話しやすいですね。

ただ、こうした手法は学年によって効果が変わってくるので、小学生あたりには有効かなと感じます。

3.努力過程を褒める

では、学年が上がればどういう声掛けをしていけばいいのか。それは、なぜその結果となったのかという過程に目を向けてあげることです。

「1週間前からよく自習室に来てテスト対策に励んでいたもんね。その成果がちゃんと出たんだよ!」

良い結果や成績は偶然出るものではありません。必ず子どもたちの努力の背景があるはずですから、ここをしっかり褒めてあげましょう。

事実だけ褒める段階で終わってしまっている人は、こういう努力過程の話題をぜひ加えてあげてください。

褒められた側は、ちゃんと見てもらえているというのがわかるだけで、単に褒められるより何倍も嬉しいものです。

ただ、逆にいうとちゃんと見ていてあげていないとこういう言葉は出てこないということでもあります。ゆえに、褒める側も常日頃から子どもたちの何気ない行動にも気を配ってあげることが重要ですね。

4.未来の展望を話す

最後に、今後につながる一言を添える工夫です。

「間違えた問題の解き直しをしてえらいね。自分のミスの傾向をちゃんと理解できていれば、今後同じところで失点することが減り、高得点が期待できるね。」

それができるようになるとこんないいことが待っているという未来の展望を示すことで、今後への期待感を感じてもらうということですね。

取り組み意味とか間違ってないよと正当化してあげるようなアドバイスが褒める言葉に付け加えられると勉強にも励みが出ます。

成績優秀者ほどこういうアドバイスを待っている感もあるので、単に褒めるだけでなくアドバイス的な意味合いの方が有効ですね。

まとめ

教育心理学の用語に「ピグマリオン効果」というものがあります。ざっくりいうと、他者から期待されると成績が向上するという現象のことをいいます。

ピグマリオン効果

ある小学校で普通の知能テストを、“今後、成績が伸びる児童が分かる特別なテスト”といって実施します。
その後、テストの結果とは関係なく無作為に児童を選び、“今後、成績が伸びる子供”としてその名前を担任に伝えます。
するとどうなったか。今後伸びると伝えられた児童の成績が実際に上がりました。担任がその児童達が伸びることを信じ、期待をかけたぶん、それが本人達に通じたのです。

ピグマリオン効果とは | 人事用語集・辞典 | 人事のプロを支援するHRプロ

他者から期待されれば、人はそれに応えようと努力し、成績の向上も期待できるのです。子どもの場合、大人に褒めて認めてもらえるとさらに嬉しい感情が芽生えるはずです。

周りの声掛け一つで子どもたちのモチベーションは大きく変わります。できないとこばかりを叱るのではなく、できた部分をしっかり褒め、今後の可能性を話してあげることで効果的に学習への動機付けをしてあげてください。

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